本銀行によると、暗号資産とはインターネット上でやり取りできる財産的価値であり、「資金決済に関する法律」で次の性質をもつものと定義しています。
- 不特定のものに対して代金の支払い等に使用でき、かつ法定通貨と相互に交換できる。
- 電子的に記録され、移転できる。
- 法定通貨または法定通貨建ての資産ではない。
当初は仮想通貨と呼ばれていましたが、現在は暗号資産（仮想通貨）と表記することが多いようです。これは円やドルなどの法定通貨と誤解されないためにcrypto-assetとG20などの国際会議で表現していることが要因となっています。日本でも金融庁が資金決済法を改正して呼称を暗号資産に変更しました。基本的には暗号資産と仮想通貨は同じものを指します。以下は、暗号資産に関する重要な要点です。
- デジタル性: 暗号資産は物理的な形態を持たず、デジタルデータとして存在します。ブロックチェーンと呼ばれる分散型台帳技術を使用して、トランザクションの記録や保管が行われます。
- 分散型台帳: 暗号資産は通常、分散型台帳技術（ブロックチェーン）上で管理されます。この分散型台帳は、複数のコンピューターで共有され、ネットワーク全体で一貫した取引履歴を維持します。これにより、中央機関や中央銀行などの中央管理者が不要になり、信頼性が向上します。
- 暗号技術: 暗号資産の名前は、トランザクションのセキュリティを強化するために使用される暗号技術に由来しています。公開鍵暗号やハッシュ関数などが使用され、ユーザーのアカウントやトランザクションが保護されます。
- 分散型発行: ほとんどの暗号資産は、中央銀行や政府ではなく、分散型ネットワーク上で生成されます。新しい単位の発行は通常、ブロックチェーンネットワーク上での計算（マイニングなど）に関連しています。
- 多様性: Bitcoinを含む最初の暗号資産は、主要なものの中で最も広く認識されていますが、数千もの異なる種類の暗号資産が存在します。それぞれが異なる目的や機能を持っており、一部はスマートコントラクトや分散型アプリケーションをサポートしています。
- 取引用途: 暗号資産は、デジタル商品やサービスの支払い手段として広く使用されています。一部の人々は、投資として購入し、将来の価値上昇を期待して保有しています。
- リスクと波動性: 暗号資産市場は非常に変動的であり、価格が急激に変動することがあります。そのため、高いリスクが伴います。また、規制やセキュリティに関する懸念も存在します。
暗号資産は、金融システムに革命をもたらす可能性がある技術的な革新であり、将来の金融取引やデジタル経済において重要な役割を果たすと広く考えられています。しかし、その特性からくるリスクと課題も存在し、慎重な取引と投資が求められます。